肩凝りの対処法と予防法について
 
           ~肩凝りの予防と対処での大切な事は?~
 
 

 頚椎の安定

頚椎を安定させるための骨盤と脊椎の整復。最初の診断や判定、あるいは骨盤や脊椎の長年の固定などに対しては、治療による対応が必要になりますが、一定の改善が得られた後はご自身の管理で対応が可能です。日常の生活動作や姿勢、歩行や運動による自動整復が重要になります。

 

頭寒足熱

肩凝りにおける筋の疲労や張り、脳圧の亢進、自律神経の不安定(特に冷えのぼせを伴う症状など)に対して、昔から言われるように頭寒足熱が効果的です。冷やす時は頭から、温める時は末梢(手足)からです。脳圧の亢進や肩凝り状態が続くと、脳や頚部に血液が集中し手足に血液がうまく回らない状態が続いてしまいます。特に自律神経の問題が重なると末梢血管の収縮が過剰に起こり、よけいに手足の冷えが起りやすくなります。

 

 

これらの問題の解消の為に、氷枕で寝る事をお薦めしてています。脳の温度が下がる事で睡眠が深くなり、脳内が鎮静化され(セロトニンやメラトニンが出やすくなる)、同時に末梢の血管が広がり(子供が眠たくなった時手足が温かくなるのと同じ現象)脳圧が下がってきます。どうしても氷枕をしたくない寒い冬は、足に湯たんぽを置いて通気性の良い枕で寝る事をおすすめします。また寝る時以外でも服装や冷暖房を考える上で、常に頭寒足熱を心掛けて下さい。

 

 

運動について

最初は身体のバランスを安定させる為に、当院で推奨している生理歩行が良いと思います。歩行の動きは下腿三頭筋を活発に動かすため、下肢の部分に貯まった水分(血液等)を再び還流して血液の循環を活性化させると同時に、足の指先まで血液をゆきわたらせて、頭寒足熱を作る助けとなります。

 

この事に関して、自転車の動きは、大腿部までの筋肉をよく使うのですが、頭寒足熱に一番大切な下腿~足先の筋肉の動きが少ない為、この部分の血行を促す事が不十分になります。また、サドルの形状が骨盤を不安定にさせるため、肩凝りや頚椎の安定を考えた運動としては、あまりおすすめできません。

 

同じように、歩行以外のいわゆるスポーツも多くの場合、自分の利き手や軸足を強く意識して動いているため、バランスを整えていく為には適切とは言えません。例え全身運動である水泳やジョギングでもこれは同じです。自分自身の安定したバランスを維持する為には、まず最初の数か月は直立二足歩行を続ける事が重要です。

 

ある程度バランスが整ったらストレス解消と気分転換のためにも御自身の好きな運動、やりたかった運動をされる事が肩凝りの予防には有効だと考えられます。同時に筋肉の特性としてある動きや姿勢によって硬く緊張した筋肉は違う方向の穏やかで律動的な動きをする事で、効率よく弛緩すると言う事がわかっています。歩行を始めとする自分の好きな様々な運動を続けていく事が実は凝り固まった筋肉を自分の力でゆるめ、元の良い状態に戻していく力になると言う事をどうか憶えておいて下さい。

 

マッサージについての曲接骨院の考え方

「凝り」という状態は、その筋肉の中でどういう事が起っているのでしょうか?

凝りとは、皮下の硬結状態を言います。その部分は「出血塊」と言われ、血液循環が悪くなった部分が血液のカタマリを作り、ちょうど皮ふの下にできたカサブタのようになっています。この部分にもんだり、叩いたりする強い刺激を与える事でカサブタの部分がはがれ、一時的に血行を回復し楽になったような気がしますが、強い刺激が結局は毛細血管を壊すため、再びカサブタが刺激以前の状態よりももっと広く再成され、より強い肩凝りを作っています。

 

この状態を繰り返す事により、だんだん強い刺激を求めるようになり最終的には、その部分の筋肉が弾力性を失い線維化し、いわゆる「アンマだこ」の状態になり筋肉としての能力を失ってしまいます。

 

先ほどの肩凝りの原因の説明で述べたように、肩凝りの筋肉である僧帽筋や頚椎の後ろの筋肉群は、脳の血液循環と大きな関連をもつ大変重要な筋肉であり、この筋肉が線維化すると筋肉ポンプとしての能力を十分に発揮できなくなり、脳圧のコントロールができなくなってしまいます。これは、様々な脳血管障害の原因になったり、認知症やうつ病なども含めた脳の様々な障害の最初のきっかけを作る事にもなりかねません。

 

当院では、これらの危険要素を配慮したうえで、習慣的な強いマッサージを続けることはするべきではないと考えています。肩凝りの治療に関しては、骨盤や脊椎の安定を確保した上での頚椎の機能の回復。また、日常生活や姿勢などの改善によって、肩凝りを起こしにくい身体を作る事を第一に考えています。その上で、今現在起っている肩凝りに関しては、硬結や出血塊を破壊する事なく、後頭部や僧帽筋の機能を助ける目的で方向を決めた特殊なローラー処置によって血液循環、特に静脈群の流れの賊活し、筋肉のスムーズな動きを再成させる為の処置を行っています。

 

身体が健康でバランスなど何の問題もない時に、重労働や集中しなければならない作業で筋肉が強く張っている状態に対して、たまに穏やかなマッサージや上手な按摩などを受けるのは気持ちの良い事で、大きな問題はありません。

 

しかしながら頚椎や筋肉に頚腕症候群や血行障害などの病的な疾患や異常があるような時に、強いマッサージを習慣的にうけ続ける事は、筋肉の能力を極端に低下させ自分自身での疲労回復が不可能になり、先述の通り脳疾患の可能性や全身の血液循環の二次的な悪化を招き、結局最終的には、自分自身の根本的な「健康」にとって悪影響を残す危険性があると私たちは、考えています。